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森三中に「接続された女」 (Aug.29, 2008)

 しばらく、ネット活動の拠点をmixiに移していました。でもあそこも当初の「クローズドなコミュニティ」ではなくなって来て、あまり開けたネットと差異が見出せなくなってきた。眠っていたコチラももう少し、活用しようかなと思いました。

森三中 先日、グラドル3人が組んだ「私たち、歌ってませーん」の口パク・ポップスユニット「Peachy's」が、歌声担当の正体はなんと森三中!というニュースが流れた。
 そのグラドル自体にも、かつてミリ・バニリがやっていたような歌声担当とビジュアル担当を分業させる様な売り方にも、さして興味は引かれなかったんだけど、「中の人が森三中」ってのには不覚にもヤラレタ!と思っちゃいましたよ。森三中ですよ森三中! これ、最初っから歌声担当のネタバレでウケ狙うの織り込み済みの企画だよね、確かに一本取られた。

 で、ひとつ安心したのは。
 歌声担当が、無名の真面目にボーカルを志すお嬢さん達ではなかったんだ、芸能人だったんだ。北京オリンピックの開会式の少女のように、美人ではない故に全うなデビューの機会を奪われた搾取されたボーカリストがそこにいたわけではなかったんだ、という安心感。

 そして、同時に不安感。
 ブスタレとして活躍してるブサイクをあえて歌声担当にキャスティングする、という悪趣味さ。結局、容姿のいい子をビジュアル担当に、才能あれど容姿に落第点下されたものは表に出すべきではないのだ、という悪意の分業を認める形になってること。

 これ、最初にやり始めたのってジェームズ・ティプトリー・Jr?
「接続された女」。美人で可憐な人造人間のデルフィ嬢と、その操縦者に選ばれたホルモン異常で全身が奇怪に変形したP・バーク。この図式、まんま森三中とPeachy'sの面々じゃん。
 デルフィ嬢を社交芸能界にデビューさせたのは、クライアントの意のままに印象操作・情報操作をするのが目的。その操縦者は、外見の醜さから決して表舞台に立つことが許されない。デルフィに惚れたイイトコのボンボンは、あくまでビジュアル担当のデルフィに恋いこがれ、恋人に自分自身を否定されたバークは、懸命に恋人に愛されるデルフィの肉体の中に生きようとする。

 まあ、ね。バークがバークとしての人格と人権を認められてる森三中なら幸い、悲劇も起こらないだろう。でも北京オリンピックのバークは「デルフィの中の人」としての役目を奪われてしまったら、一生地下の遠隔操作室から表に出ることを許されないんだろうか。

 ブサイクが外に出せない恥ずかしいもの、と心から公言出来る人って、でも少ないと思うよ。
 しかし、美人の容姿とブサイクの才能を切り貼れば無敵人間が出来るな、という幻想を抱く人は、やっぱり多いってことなんだと思うよ。

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